土地、家、マンションなどの不動産の所有者が亡くなった場合、
登記簿上の所有者を故人から相続人に名義変更することになります。
名義変更するには法務局で所有権移転登記申請をして、登記簿の所有者を変更する必要があります。
この相続に伴う、被相続人から相続人への所有権移転登記のことを、相続登記と呼びます。
相続手続を行うためには、まず対象となる不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)を確認し、
現在の正式な所有者や権利関係を調べる必要があります。
対象不動産の事前資料としては、登記済権利証や過去の登記簿謄本、固定資産納税通知書(課税
明細書)等がありますが、所有している可能性のある物件については全て確認することが必要です。
相続登記は3年以内に手続きする法律上の義務があり、
これを怠ると過料という罰則を科せられるおそれもあります。
法的な義務とは別に、売却する際には売却の前提として名義変更が必要です。
いつまでも不動産の名義変更を放置しておくと相続人が増え手続きが複雑になったり、
面倒な手続きが余計に必要となったり、費用も高くなってしまうケースもあるため、
相続登記はお早めに済まされることをお勧めしております。
Eさんは母親が亡くなった際に遠方の土地を相続しましたが、移転登記はしていませんでした。
令和6年から相続登記が義務化されたことを受けて登記簿謄本を取り寄せたところ、
この土地の名義は先々代から移転登記されていなかったことが判明しました。
Eさんから相談を受けた当センター長は、登記名義人からEさんへの相続の経路を整理し、
連絡がつく方には個別に連絡し、そうでない人は裁判所の公示送達手続を活用し、
こうした地道な作業を経て無事にEさんへの名義移転を完了しました。