遺産分割協議書とは、遺産分割協議で合意した内容をまとめた書類です。
遺産分割協議には相続人全員の参加が必要で、話し合いによって遺産分割の方法と
相続の割合を決めていきます。遺産分割協議によって相続人全員の合意が得られたら、
その内容をまとめた遺産分割協議書を作成します。
遺産分割協議書の書式は決まっていませんが、相続人全員が署名し、実印を押印する必要があります。
また、印鑑証明書も添付し、相続人全員が同じ物を1通ずつ所持します。
なお、遺産分割協議書を作成した後に、相続人単独でその内容を変更することはできません。
変更するには相続人全員の合意が必要になり時間も手間もかかるため、
慎重に内容を検討して合意する必要があります。
遺言書がない場合や遺言書と異なる内容の遺産分割を行う場合、
相続財産の移転登記をするためには遺産分割協議書が必要になります。
Jさんが父親の葬儀に参列した際、姉からJさんの遺言書を見せられました。
しかし、遺言書の内容は相続財産の目録が現実の相続財産と異なったり、遠方に居住するJさんが
実家を承継する内容であるなど、そのままでは実現できない内容となっていました。
そこで当センター長に相談したところ、Jさんの父親の意向を出来る限り汲み取ったうえで、
その他の相続財産については相続人全員と丁寧に話し合いを行って、妥当な遺産分割協議をまとめ、
移転登記も完了しました。