遺産整理とは、亡くなった方(被相続人)が遺した財産のうち相続財産を洗い出し、
相続人同士で分配して相続税申告や各種名義変更などを行う相続手続き全般を指し、
通常は以下のような手順で進めます。
ここで最も重要なのは相続財産の確定です。
法定相続人の確定は戸籍謄本を見ればわかりますが、相続財産は、被相続人本人も正確に把握して
いないケースもしばしばあり、親族の話を聞くだけではすべてを網羅することは難しいですし、
もし後から高額の相続財産が発見されたら高額の相続税が追徴される危険もあります。
そのため、通帳の記載内容や過去のレシートなどを丁寧にチェックし、
隠れた相続財産がないかどうかを、推測していく作業が必要となることがあります。
Dさんの父親は大した相続財産を残さずに亡くなったため、
Dさんたちは若干残された家財などを形見分けして相続を終える予定でした。
念のため、当センター長に相談したところ、Dさんの父親の過去の通帳の記載から、
実は数百万円単位の借金を抱えていたことが判明しました。
ここで形見分けをしてしまうと借金も相続したこととなってしまいます。
そこで、Dさんたち相続人は父親の形見をすべて廃棄処分したうえで
相続放棄手続を家庭裁判所にて行い、借金を相続することを回避できました。