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相続コラム

2026年02月08日

認知症になる前に講じておくべき相続対策

梅田遺産相続解決センター

認知症になると不自由が発生
高齢化が進む現代社会において、誰もが無関係ではいられない問題の一つが認知症です。認知症を発症すると、記憶力や判断力が低下し、日常生活だけでなく、法律行為にも大きな制約が生じます。特に相続や財産管理の場面では、本人の意思能力があるかどうかが極めて重要な判断基準となります。
法律上、契約や処分といった行為は、本人に十分な意思能力があることを前提としています。そのため、認知症などにより意思能力がない、または著しく低下していると判断されると、本人であっても自由に取引を行うことができなくなります。例えば、長年使ってきた銀行口座であっても、預金を引き出すことができなくなる場合があります。不動産を売却して施設入居費用に充てたいと考えても、売買契約を締結することができず、身動きが取れなくなることも珍しくありません。
さらに、保険の解約や契約内容の変更、賃貸借契約の締結や更新といった日常的な法律行為も制限を受けます。こうした状況が続くと、本人の生活が不安定になるだけでなく、家族や親族に大きな負担がのしかかります。財産の整理や管理、必要な支払いが滞ることで、家族が代わりに対応しようとしても、法的に認められないケースが多く、結果としてトラブルに発展することもあります。
このように、認知症によって生じる不自由は、本人だけでなく周囲の人々の生活にも深刻な影響を与えます。だからこそ、意思能力が十分にあるうちに、将来を見据えた準備をしておくことが重要です。そこで本稿では、認知症になる前に講じておくべき相続対策や財産管理の方策について、順を追って整理していきます。

任意後見契約を締結する
認知症への備えとして、まず検討すべき制度の一つが任意後見契約です。認知症を発症してから家庭裁判所に法定後見を申し立てる方法もありますが、この場合、後見人は裁判所が選任するため、必ずしも本人や家族が希望する人物になるとは限りません。場合によっては、面識のない専門職が後見人となり、財産管理や身上監護を担うことになります。
任意後見契約は、本人が十分な意思能力を有している段階で、将来に備えて後見人を自ら選び、その権限や内容をあらかじめ定めておく制度です。この点が法定後見との大きな違いであり、本人の意思を最大限に反映できる点が特徴です。信頼できる親族や第三者に任意後見人を依頼しておくことで、将来の不安を大きく軽減することができます。
任意後見契約には、将来型、移行型、即効型という三つの類型があります。本人の健康状態や生活環境に応じて、どの類型が適しているかを選択できるため、柔軟な設計が可能です。例えば、現時点では問題なく生活できているが、将来的な不安がある場合には、必要な時点で効力が発生する形を選ぶことができます。
また、任意後見契約を締結しておくことで、認知症を発症した後も、後見人が速やかに本人の代わりに行動できる体制を整えることができます。預金の管理や支払い、契約手続きなどが滞りなく行われることで、本人は安心して生活を続けることができます。任意後見契約は、認知症対策として非常に有効な手段であり、早めに検討する価値があります。

家族信託の活用
認知症対策として、すべての法律行為を後見制度でカバーする必要がない場合もあります。そのようなケースでは、家族信託の活用が有力な選択肢となります。家族信託は、特定の財産について、その管理や運用を信頼できる家族に託す仕組みであり、財産管理に特化した柔軟な制度です
例えば、自宅や預貯金といった主要な財産について、同居している親族を受託者とし、本人の生活や介護費用のために活用してもらうという形が一般的です。このように財産ごとに管理方法を定めることができるため、日常生活の自由度を保ちながら、必要な部分だけをサポートしてもらうことが可能です。
家族信託は、契約内容を自由に設計できる点が大きな特徴です。管理権限の範囲や財産の使途、将来的な承継先などを具体的に定めることで、本人の意向を反映した運用が可能になります。また、受託者が家族であるため、実情に即した柔軟な判断が期待できる点もメリットです。
一方で、家族信託と任意後見にはそれぞれ特性があります。家族信託は財産管理に強みがある一方で、身上監護のような行為には適していません。そのため、本人の状況や財産構成、家族関係を踏まえたうえで、どの制度がより適しているかを慎重に検討する必要があります。適切に活用すれば、認知症による財産凍結リスクを大きく減らすことができます。

税を考慮した遺言作成
相続対策を考える際、認知症対策と並んで必ず検討しておくべきなのが遺言書の作成です。遺言書がない場合、相続は法定相続分に基づいて進められますが、相続人それぞれの生活状況や財産への思いが反映されにくく、結果として感情的な対立を生むことがあります。そのため、遺言書を作成し、自身の意思を明確に示しておくことは、円満な相続を実現するうえで重要な意味を持ちます。
遺言書では、単に「誰に何を相続させるか」を決めるだけでなく、相続税の節税策や納税資金の確保まで視野に入れることが望まれます。相続税は、遺産の評価額や分割方法によって大きく変わるため、分け方次第では相続人の税負担に大きな差が生じます。また、不動産など換金しにくい財産が多い場合、相続税を支払うための現金が不足し、相続人が困るケースも少なくありません。こうした事態を避けるためには、遺言の内容に一定の工夫を加える必要があります。
さらに重要なのが、遺言書作成時の意思能力です。認知症が進行し、判断力が低下した状態で作成された遺言書は、相続人から「意思能力がなかった」として無効を主張される可能性があります。実際に、遺言の有効性を巡って裁判に発展するケースも存在します。そのため、遺言書は、医師の診断や周囲から見て十分に意思能力があると判断できる時期に作成しておくことが重要です。
遺言書は自筆で作成することもできますが、形式の不備や内容の曖昧さによって無効となるリスクもあります。また、税金や実務上の運用まで考慮した内容にするためには、法律や税務の専門知識が不可欠です。専門家に相談しながら作成することで、法的に有効で、かつ相続人にとっても負担の少ない遺言書を残すことができ、結果として認知症対策と相続対策の両立につながります。

その他のトラブル回避策
遺言書を作成し、相続の方向性を示したとしても、それだけで全てのトラブルを防げるわけではありません。特に注意が必要なのが、遺留分を巡る問題です。遺留分とは、一定の相続人に法律上保障された最低限の取り分であり、これを侵害する内容の遺言があると、相続開始後に遺留分侵害額請求がなされる可能性があります
遺留分対策としては、あらかじめ各相続人に一定の財産を相続させる方法や、遺留分請求があった場合に備えて十分な現預金を確保しておく方法が考えられます。どの方法が適切かは、財産の種類や総額、相続人の人数や関係性によって異なります。安易に特定の相続人に偏った内容にすると、かえって紛争の火種を残すことになりかねません。
また、金銭的な財産以外にも、トラブルになりやすい要素は存在します。例えば、お墓の承継や管理、実家の扱いなどは、感情が絡みやすく、話し合いがこじれやすい分野です。誰が管理を担い、費用をどのように分担するのかといった点を曖昧にしたままにすると、相続後に不満が噴出する原因となります。
さらに、相続人同士のコミュニケーション不足も、トラブルを深刻化させる要因です。本人が元気なうちに、自身の考えや方針を丁寧に伝えておくことで、相続人の理解を得やすくなります。すべてを文書で決めることが難しい場合でも、方向性を共有しておくだけで、後の争いを和らげる効果が期待できます。
相続トラブルの多くは、事前に予測できるものです。認知症になる前の段階で、想定される問題を一つずつ洗い出し、早めに対策を講じておくことが、結果として本人と家族双方の安心につながります。細かな点まで目を配り、丁寧に準備を進める姿勢が、円満な相続を実現する鍵となります。

まとめ
認知症は、誰にでも起こり得る身近な問題であり、発症後にできることは限られています。そのため、意思能力が十分にある段階で準備を進めることが、何よりも重要です。認知症によって財産が凍結され、生活や相続に支障が生じる事態は、適切な対策を講じることで回避することが可能です。
任意後見契約や家族信託といった制度を活用することで、将来の不安に備えた体制を整えることができます。また、遺言書を作成する際には、相続人間の公平性や税負担、実務上の運用まで視野に入れることが求められます。さらに、遺留分や承継に関する問題についても、事前に検討しておくことで、相続後の混乱を最小限に抑えることができます。
重要なのは、これらの対策を「まだ元気だから大丈夫」と先送りしないことです。認知症はある日突然進行することもあり、準備が遅れると選択肢が狭まります。早めに行動することで、本人の意思を反映した形で財産を守り、家族の負担を軽減することができます。認知症になる前の備えは、将来の安心を支える大切な基盤であると言えるでしょう。
当センターでは認知症になりそうな親の相続に関するご相談が多数寄せられています。そうしたお悩みをお抱えでしたら下記よりお気軽にご相談ください。

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