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相続コラム

2026年01月11日

先祖代々の実家を円満に相続させる方法

梅田遺産相続解決センター

相続財産が「実家だけ」は最も揉めるパターン
相続の現場において、最もトラブルに発展しやすい類型の一つが、相続財産の大半が先祖代々の実家で占められているケースです。預貯金は生活費程度しか残っておらず、実質的な資産価値は不動産に集中しているという状況は決して珍しくありません。むしろ、長年堅実に暮らしてきた家庭ほど、この形に近づきやすいと言えます。
一見すると、財産の内容がシンプルであるため、話し合いも簡単に済みそうに見えます。しかし実際には、このタイプの相続こそが最も深刻な対立を生みやすいです。理由は、不動産が「分けられない財産」であることに加え、実家という存在が金銭価値以上の意味を持つからです。
先祖代々住み継がれてきた家には、家族の歴史や記憶が詰まっています。相続人それぞれが異なる思い出や感情を抱いており、「自分にとっての実家像」が一致しているとは限りません。さらに「この家は売ってはならない」「自分の代で終わらせるわけにはいかない」といった無言の前提がある場合、選択肢は一気に狭まります。
不動産を売却して現金化すれば分けやすくなりますが、それが許されない場合、誰が住むのか、誰の名義にするのか、他の相続人はどう納得するのかという問題が一斉に噴き出します。ここに明確な方針がなければ、感情論と利害が絡み合い、話し合いは簡単に行き詰まりがちです。
このような背景を踏まえたうえで、実家という特殊な財産をどのように扱えば、家族関係を壊さずに相続できるのかを考える必要があります。そこで本稿ではこうした実家を円満に相続させる方法を解説します

「仲良くしてほしい」では不十分
相続財産が実家中心の場合、被相続人が遺言書や口頭で「兄弟姉妹で仲良くしてほしい」「揉めずに話し合って決めてほしい」と伝えるケースは非常に多く見られます。家族を思う気持ちとしては自然であり、善意に満ちた言葉であることは間違いありません。
しかし、実務の視点から見ると、このような言葉はほとんど問題解決につながりません。理由は明確で、お金や不動産が絡む状況下では、人は理想論だけで行動できなくなるからです。各相続人の生活水準、収入、家族構成、将来設計は大きく異なります。その中で「仲良く」という抽象的な指針だけを与えられても、判断基準が存在しないのです。
結果として、「自分はこう思っていた」「親はこういうつもりだったはずだ」という主観的な解釈がぶつかり合い、かえって対立が深まります。被相続人が配慮したつもりの言葉が、相続人同士を追い込むことすらあります。
公平性を重視するあまり、実家を共有名義にすればよいと考える方もいます。しかし、共有名義の不動産は、売却・建て替え・大規模修繕のいずれにおいても全員の同意が必要となり、意思決定が著しく困難になります。世代が一つ進むだけで、権利者は倍増し、事実上身動きが取れなくなることも珍しくありません。
揉めない相続を実現するためには、感情的な願望ではなく、被相続人自身が具体的かつ現実的な方針を示すことが不可欠です。誰にどのような役割を担ってほしいのか、その前提を曖昧にしないことが重要です。

単純に相続人の一人に全部相続させる遺言でも不十分
実家という不動産を相続させるにあたり、共有名義が問題を生む以上、誰か一人の単独名義にするべきだという結論に至るのは自然な流れです。実務的にも、不動産の管理や処分のしやすさを考えれば、単独名義以外の選択肢は現実的とは言えません
そのため、「長男に全て相続させる」「同居している子に実家を承継させる」といった内容の遺言を作成しようと考える方は多くいます。この点において、遺言書を作成するという判断自体は正しい方向性です。遺言がなければ法定相続分に従うことになり、結果として不動産は共有名義になってしまうからです。
しかし、ここで問題となるのが、実家以外に十分な財産がないケースです。預貯金が生活費程度しか残っていない場合、実家を相続しなかった他の相続人は、形式上ほとんど何も取得できません。この状況で不満を持たない方がむしろ少数派でしょう。
法律はこの点を考慮し、一定の相続人に対して最低限の取り分として遺留分を保障しています。遺言によって相続分をゼロにされた相続人であっても、遺留分を請求することは正当な権利行使です。感情的な反発ではなく、制度として予定された行動なのです。
問題は、遺留分請求がなされた場合、その支払い原資を誰が、どのように用意するのかという点にあります。実家を相続した相続人は、不動産という「換金しにくい資産」は持っていても、現金を十分に持っていないケースがほとんどです。その結果、実家を守るために借金をする、あるいは最悪の場合、売却を検討せざるを得ないという事態に追い込まれます。
つまり、「一人に全部相続させる遺言」は、不動産の名義問題は解決できても、相続全体の安定性までは担保できないのです。

お金を用意して遺言を作成する
実家を特定の相続人に単独で承継させたいのであれば、遺留分請求を受ける可能性を前提とした準備が不可欠です。ここで重要なのは、「請求されたら考える」という姿勢ではなく、「請求されることを織り込んで設計する」という発想です。
まず必要なのは、遺留分としてどの程度の金額が発生し得るのかを把握することです。実家の評価額、相続人の人数、法定相続分を踏まえれば、ある程度の目安は算出できます。そのうえで、その金額を支払えるだけの原資をどのように確保するかを検討する必要があります。
現金を計画的に残す、金融資産を分散して保有するなど、時間をかけて準備することが理想です。これにより、相続発生時に実家を承継する相続人が過度な経済的負担を負うことを避けられます。準備の有無は、相続後の生活の安定性に直結します。
生命保険を活用する方法も、実務上よく検討されます。他の相続人を受取人とすることで、一定の現金を確実に渡すことができます。ただし、生命保険金は相続人固有の財産とされるため、理論上は別途遺留分請求が可能である点には注意が必要です。保険に入っているから安心という単純な話ではありません。
さらに重要なのが、制度設計と同時に行う「説明」です。なぜ特定の相続人が実家を承継するのか、他の相続人にはどのような配慮をしているのかを、被相続人自身の言葉で丁寧に伝えることが欠かせません。金額の多寡よりも、「自分は無視されていない」と感じられるかどうかが、感情面での納得に大きく影響します。

家の建て替えのタイミングが判断のタイミング
実家の相続問題を現実的に考えるうえで、極めて重要な局面となるのが家の建て替えのタイミングです。多くの住宅は、築50年前後で建て替えや大規模修繕を必要とします。この時期は、実家の維持に誰が責任を持つのかを避けて通れない局面です。
建て替えには多額の費用がかかります。数千万円単位の資金を、全ての相続人が平等に負担するケースは現実的ではありません。結果として、親と同居し、生活の拠点として実家を使う子が費用を負担することになります。
ここで問題になるのが、費用負担と権利の不一致です。建て替え費用を負担したにもかかわらず、名義が親のまま、あるいは兄弟姉妹の共有名義のままであれば、将来的に強い不満が生じます。負担した側が当然だと考える権利と、法的な権利関係が食い違うからです。
このタイミングで、同居する子に名義を集約する方針を明確にすることは、非常に合理的です。その前提で、遺留分対策としての資金準備や生命保険の設計を進めることで、相続全体の整合性が取れます。
また、建て替えは親自身にとっても大きな決断です。その際に、将来の相続を見据えた話し合いを行うことで、相続人全体が現実を共有しやすくなります。実家を誰が守り、誰が責任を負うのかを具体的に示すことが、後の紛争を防ぐ最大の要因となります。
家の建て替えという現実的な出来事を、相続設計の判断材料として正面から捉えることが、結果として先祖代々の実家を守る最も確実な方法と言えます。

まとめ
先祖代々の実家を相続する問題は、法律論だけでは解決できない難しさを持っています。実家が唯一の主要財産である場合、何の準備もなければ揉める可能性は極めて高くなります。
「仲良くしてほしい」という願いや、共有名義という選択は、将来の問題を先送りするだけです。また、単独相続を定めた遺言だけでは、遺留分という現実的な壁を乗り越えられないことも多くあります。
円満な相続のためには、遺留分請求を想定した資金準備、生命保険の活用、そして相続人全体への丁寧な説明が不可欠です。さらに、家の建て替えという現実的なイベントを判断の契機として活用することで、責任と権利を一致させた相続設計が可能になります。
時間をかけて準備し、明確な方針を示すことが、実家を守りつつ家族関係を壊さないための最も確実な方法です
当センターでは実家をめぐる様々なトラブル対応の実績があります。お悩み事がありましたら是非お気軽にご相談ください。

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