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相続コラム

2025年09月14日

生前贈与の3・7・10と交渉のポイント

梅田遺産相続解決センター

仲の悪い兄弟姉妹は必ず生前贈与で揉める
相続をめぐる争いの多くは、生前贈与に関する誤解や不信感から生じます。特に兄弟姉妹の仲が良好でない場合には、親が生きている間からすでに対立が芽生えていることが少なくありません。一般的に、親の介護や日常生活の面倒を誰か一人が中心となって担うケースは多く、その人が親の預金を引き出して使うことがあります。食費や医療費、生活必需品の購入など、実際に親のために使ったものであっても、他の兄弟姉妹から見れば「勝手に使ったのではないか」「生前贈与を受けているのではないか」と疑念を抱かれることがあります。
特に体が不自由になった親に代わり、金融機関の窓口やATMで預金を引き出す行為は日常的に必要です。しかし、その事実だけを切り取ると、贈与と混同されやすいのが現実です。通帳の出入金が記録として残る以上、他の兄弟姉妹から追及されやすい構造が存在しています。実際に「親の介護をしていた兄が頻繁に引き出していた」「妹が管理していた口座から多額が減っていた」といった状況が生前贈与の疑いとして持ち出されることは非常に多いです。
問題を深刻化させるのは、親が亡くなった後にこうした疑惑が一気に表面化する点です。介護を担っていた側からすれば「親の生活を維持するために当然だった」と主張しても、証拠や明細を残していなければ容易に信用されません。そのため、元々の関係がぎくしゃくしていた兄弟姉妹であればなおさら、相手の行動を善意に解釈せず、贈与を巡る争いが始まってしまいます。
このように、生前贈与をめぐるトラブルは、相続財産そのものの多寡よりも、信頼関係の有無によって火種が大きくなる傾向があります。親の介護や金銭管理をしていた人が悪意を持っていなくても、記録や説明の準備を怠れば、生前贈与を受けたと見なされかねません。結果として兄弟姉妹間の対立は深まり、円満な遺産分割が難しくなってしまうのです。こうした背景から、生前贈与は交渉における最大の争点となりやすいといえるでしょう。そこで本稿ではこうした生前贈与のポイントを解説します。

税務申告上は3年から7年へ段階的に移行
相続税の計算において、生前贈与がどの範囲まで課税価格に含まれるかは大きな問題です。現行制度では、相続開始前3年間に行われた一定の生前贈与が課税対象に加算されます。つまり、亡くなる直前に贈与しても「節税」にはならず、結局は相続財産として扱われます。
しかし、この制度は将来的に大きく変わります。税制改正により、2027年から段階的に加算期間が延長され、2031年以降は相続開始前7年間にさかのぼって生前贈与が課税対象となります。すなわち、これまで「3年で足りる」と考えられていた贈与計画が、より長期的な視点を持たなければ意味をなさなくなります。
過渡期である2027年から2030年までは、2024年1月1日以降に行われた贈与について、特例的に新制度が適用される仕組みになっています。つまり「いつ贈与したか」「相続がいつ開始するか」という時間軸が複雑に絡み合うため、実務上の計算は非常に煩雑になります。
この点で注意すべきは、贈与税の非課税枠を利用したとしても、それが後日相続税に加算される可能性があるということです。例えば、毎年110万円以内の贈与を繰り返していても、相続開始が近ければ結局課税対象となり得ます。形式上の非課税と実際の課税価格の計算が異なるため、事前に専門家へ相談しておく必要が高まっているといえるでしょう。
税務申告上のルールは年ごとに変化し、数年単位で「3年」「7年」という区切りが重要になります。したがって、生前贈与を考える際には、制度の移行スケジュールを正確に把握し、自身の家族構成や資産状況に応じて最適な時期と方法を選ばなければなりません

遺留分侵害額請求は10年遡る
遺留分制度は、相続人の最低限の取り分を確保するために設けられています。たとえ親が「財産をすべて長男に贈与したい」と考えていても、他の兄弟姉妹が遺留分を侵害された場合には、法的に取り戻す権利があります。その計算において、生前贈与がどの範囲まで考慮されるかが極めて重要です。
法律上、相続人に対する生前贈与は、相続開始前10年間のものが遺留分算定の基礎に算入されます。つまり、10年前に贈与を受けたとしても、それが遺留分に影響する可能性が残るのです。一方で、相続人以外、例えば孫や友人などに対する贈与は、原則として相続開始前1年間のものだけが算入対象です。
ただし例外があります。それは、遺留分を害することを知りながら行った生前贈与です。この場合には1年や10年といった期間の制限を超えて遡ることが可能になります。つまり、形式上は古い贈与でも、意図的に他の相続人を排除するような性質があると認定されれば、遺留分計算に含まれてしまうのです。
遺留分侵害額請求は、理論上の計算と実際の財産状況が複雑に絡み合い、法律知識がなければ正確な判断は困難です。たとえば、贈与当時の財産評価や、その後の資産変動をどのように扱うかは専門的な知見が求められます。さらに、相続人間の感情的対立も強いため、当事者だけで冷静に処理するのは極めて難しいのが実情です。
したがって、遺留分に関わる生前贈与の扱いについては、早めに弁護士などの専門家に相談することが望ましいといえます。法律上の期間制限を理解しつつ、証拠や資料を適切に揃えることで、後々の争いを避けるための備えが可能となります

遺産分割においては特別受益の有無を判断
遺産分割協議においては「特別受益」という考え方が大きな争点になります。これは、相続人の一部が生前に特別な利益を受けていた場合に、その分を遺産に持ち戻して計算するという仕組みです。たとえば、生前に家の購入資金を援助してもらったり、多額の金銭贈与を受けたりした場合には、相続開始後の分割において公平を保つために考慮されます。
特別受益には、相続税や遺留分のように「3年」「7年」「10年」といった期間制限は設けられていません。理論上は親が何十年も前に行った贈与であっても持ち戻しの対象になり得ます。ただし、実際には相続開始から10年を経過すると家庭裁判所での主張はできなくなります。そのため、早期に動かなければ権利を主張する機会を失うリスクが存在します。
注意すべきは、特別受益の対象となるのは「相続人本人に対する贈与」に限られるという点です。例えば、孫の学費を援助しても、それは直系の相続人でないため特別受益には含まれません。また、贈与が相続人の日常生活費や教育費として妥当な範囲であった場合にも、特別受益とは見なされないことが多いです。
しかし、「特別受益」という概念そのものがあいまいであるため、実務上はしばしば争いの火種になります。例えば「家を買う頭金は援助ではなく貸付だった」「生活費は本人のためではなく親の意向だった」といった主張が対立することは珍しくありません。証拠が十分でなければ、感情論に発展しやすく、兄弟姉妹間の溝を深めることになります。
結果として、遺産分割において特別受益の有無を巡る議論は、制度の複雑さ以上に、関係者の主観や記憶の食い違いが影響します。交渉を円滑に進めるには、できる限り客観的な資料を残し、公平性を担保する姿勢が求められるのです。

通帳の出入金のチェック
生前贈与があったかどうかを確認する最も基本的な方法は、通帳の出入金記録を調べることです。親の口座から誰がどのようにお金を引き出したのか、その資金がどのように使われたのかを把握することは、相続人間の争いを防ぐうえで不可欠です。
特に、親の介護や生活支援を担っていた相続人は、日常的に口座を利用していたことが多く、その使途を一つひとつ説明する責任を負います。例えば、病院への支払い、介護施設の費用、食料品や日用品の購入など、親のために支出したのであれば領収書やメモを残しておくことが重要です。ところが、介護で忙しい中で細かく記録を取るのは現実的に大変であり、後から証明するのは困難になりがちです。
一方、他の相続人から見れば「説明責任を果たさないのは怪しい」と受け取られ、疑念が深まります。その結果、通帳の提示を求められても拒むような態度をとれば、かえって疑いが強まってしまいます。このような状況では、弁護士を通じて弁護士会照会制度を利用し、金融機関から一定期間分の通帳履歴を取り寄せることが可能です。
もっとも、通帳の出入金記録だけでは全てを判断できません。引き出しの理由が不明確な場合でも、それが直ちに生前贈与と認定されるわけではありません。裁判や調停の場では、具体的な使途の説明や周辺事情の裏付けが求められるため、相続人同士が論理的に議論を重ねる必要があります
生前贈与かどうかの判断は、金額や時期だけでなく、資金の性質や利用目的まで含めて総合的に検討されます。したがって、通帳を確認する作業は、単に数字を追うだけでなく、背景事情を整理し、合理的に説明する姿勢が欠かせません。これにより、不要な誤解を避け、冷静な交渉を進めることが可能になります。

まとめ
生前贈与は、税務・法律・家族関係が複雑に絡み合う領域であり、相続をめぐる争いの中心となることが多いテーマです。兄弟姉妹間の信頼関係が希薄であればあるほど、介護や金銭管理の行為が贈与と疑われ、深刻な対立に発展しかねません
税務上は「3年から7年へ」という制度改正が進んでおり、従来の短期的な贈与対策では十分でなくなっています。また、遺留分の計算では10年を遡る範囲で贈与が影響するため、長期的視点での備えが欠かせません。遺産分割協議では特別受益の扱いが最大の争点となり、記録や証拠が不十分であれば感情的な対立を助長します。さらに、実際の調査では通帳の出入金を徹底的に確認し、論理的な説明を重ねることが重要になります。
結局のところ、生前贈与をめぐる交渉において最も大切なのは、制度や法律を正しく理解し、客観的資料に基づいて冷静に話し合うことです。早めに専門家の助力を得ながら、相続人全員が納得できる形を模索することこそ、争いを避ける最善の道といえるでしょう。
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